「コロナ禍で頑張っている地元飲食店応援になれば…。」
小さな勇気から生まれたハッシュタグ「八戸テイクアウト(TwitterInstagram)」。
手探りで育てたネット上のコミュニティーは、2021年7月に一旦区切りを付けました。
続く自粛要請の中、このムーブメントを引き継ぎ、活用しようと立ち上がったのが、なぎさカフェを運営する株式会社フードコミュニケーションです。
タッグを組むのは表情豊かなメモリアル・フォトサービスで知られる株式会社グランフォート
ただでさえ大変な今、なぜ無料の活動を始めたのか。
インタビューでは、転んでもただでは起きない起業家達のじょっぱりと利他の心が見えてきました。

<登場人物> プロフィールは本文末にあります

蕨加奈子、カナヘーナ
なぎさなおこ、小柴菜摘、グランフォート
文/構成 富山佳奈利

わたし、引き継ぎたい!

ーーなぎささんからの申し出が、八戸テイクアウトのシーズン2として動き出しましたね。

なぎさなおこ(以下、なぎさ): もう、もったいなくって。#八戸テイクアウトって、すごくいいなって思っていたので。私はSNSの手軽さを、もっとみんなに知ってもらって、活用してもらって、みんなで生き残りたいって、本気で思っているんです。

蕨加奈子(以下、ワラビ):八戸テイクアウトは私が関わったWeb施策の中でも、例のないスピードで広まったムーブメントでした。昨年7月末で一旦更新を終えたInstagramですが、引き継ぎたいというお申し出はありがたいと思います。

ーーいろいろ大変そうにも思えるのですが、なぎささんはなぜ、引き継ぎたいと思われたのですか?

なぎさ:自分も飲食店を経営したり、プロデュースしたりしているので、このコロナ禍のダメージを身をもって感じています。もうね、考えるほどに不安が大きくなる。この気持ちは、飲食店をやっている人、飲食店に関わる人みんなに中にあると思うんです。
ただ「困った、怖いね」と言っているだけでは、この先もずっと不安なままだなって思います。だったら、できることをできる範囲で動いてみようと。

ワラビ:すごくわかります。私たちもその思いが真っ先にありました。少しでも飲食店さんを応援したいという気持ちでSNSやウェブサイトなどが動いていきましたが、ただ、状況に追いかけられる状況は正直キツイな、とも思いました。

なぎさ:ワラビさんがやっていらしたときよりも、ぐっと数を絞って活動することにしました。TwitterとInstagramの2つです。Instagramは菜摘さんが、お仕事の隙間時間で対応してくれます。TwitterもInstagramも、使用者さんが自分でハッシュタグを付けて投稿するものなので、日々の更新については、ご自由にどうぞ、ですね。いろいろ試して、楽しく使っていきましょう。

運営者から見えたもの

ーーハッシュタグを引き継ぐ…とのことでしたが、具体的な活動はどのようなことを行うのです?

なぎさ:飲食店の中でも、SNSが使える、使えないでお客様に知っていただけるチャンスが全然違うんです。

カナヘーナ:わたしも、SNSを始めるか使いこなせてるかで大きく左右することがあるんだなと、マップ作成開始以来、毎日膨大な情報と接していて実感することがあります。

なぎさ:そこで、SNS投稿にとりあえずチャレンジしていただこうと思いまして、飲食店さん向けのサポートを思い立ちました。SNSを見るとき、まずは写真を見て「わぁ、食べてみたい!」と思ってから、お店の場所や名前を探すことが多いと思います。だから、見た人の「食べたい!」を引き出す写真が撮れたら、お客さんになる人が増えるはず!狙って美味しそうな写真を撮るテクニックを知る事で、飲食店さんにはすごくプラスになると思います。その体験をしていただく機会をご提供することを企画しました。

小柴菜摘(以下、菜摘):撮影のお申し込みなど、小さな接点からも思いの熱さが伝わってくることがあって、SNSのチカラみたいなものを感じます。「伝わってくる」ところが不思議ですね。

ワラビ:そう!運営側に立つと分かることも、ありますよね。

なぎさ:一歩引いているからなのか、告知の仕方や盛り付けみたいなところが、すごくよく見えてくる。勉強になります(笑)

やってみて、動きながら考えてもいい

なぎさ:今回、スタートから期間を決めた活動にしました。短期集中で、一気にやる。

ワラビ:それ、大事ですよね。終わりが見えないと、気持ちが辛くなりがちですから。

なぎさ:4ヶ月間でできることを、楽しみながらやりたいと思っています。細かいところは走りながら調整していけば良しと。

ワラビ:あれこれ周囲の要望に応えすぎないこと、1番大事かもしれないですね。自分達の中で価値観を揃えておいて、あとはやっていく中で。

なぎさ:私たちも走りながらだし、テイクアウトを利用する方も、お互いに練習しながらですね。もともと飲食店さんや自治体関連が援助、引き継いでくださるのが理想でしたので、今回申し出てくださっただけでも大変うれしく思い楽しみにしております。

菜摘:かかわるみんなが楽しい気持ちになれる、温かい繋がりに育つといいですね。

伝えたい、写真のちから、思いのちから

ーープロがお料理の写真を撮影してくれるサービスを始められましたよね。とても大胆なチャレンジだと思うのですが、なぜこの企画を始めることにしたのですか?

なぎさ:写真のチカラを体感して貰いたいと思いまして。(今日のインタビュー会ではお名前しか登場していない)グランフォートさんにご協力いただいて、テイクアウト商品を含めた3点を撮影いたします。写真が持つ「伝えるチカラ」に気がつくには、お手本を見るのが1番近道かなと思うんです。
グランフォートさんは、きっと八戸のみなさんなら一度はお世話になったことがある写真館さんだと思います。私たちの思い出を撮り続けてくれた、撮影のプロフェッショナルです。ぜひ、どんな風に撮影をしているのか、その様子もしっかりと見ておいて欲しいと思います。写真が上手に撮れるようになると、お料理の魅力がもっと伝わるようになりますよ。

菜摘:SNSの投稿用にお申し込みいただくときも、熱い思いを文章に乗せていただきたいです。メニュー表からのコピペよりも、その写真のために紡いだ言葉の方が、伝わるものがあるのです。とても不思議なのですが。

<八戸テイクアウト参加方法(飲食店向け)>

参加方法の概要です。

八戸テイクアウトでは、専用フォームからお申し込みいただいた飲食店さんからの写真とテキストを、
Instagramアカウント(@8nohe_takeout)
Twitter アカウント(@8nohe_takeout)
で投稿いたします。

具体的な手続きは、なぎさ企画のホームページでご案内しております。

八戸の美味しい写真が集まる場所として、みんなで育てて行きたいです。
この機会に、お店のSNSを始めて見ませんか?

<登場人物 プロフィール>

蕨加奈子(ワラビカナコ)
ウェブディレクション事務所ワラビノーツ 代表
東京で紙媒体やWeb媒体に携わり、2013年末にUターン、2018年秋に開業。「地方の小さな店舗さんをWebのチカラでサポートしたい」という想いから、ウェブサイト、SNS運用、Googleマイビジネス、LINEなどの支援を中心に、Webマーケティング分野で活動している。https://warabi-notes.com/

カナへーナ @hajime0912
地域を愛する情報ウォッチャー。詳しいプロフィールは謎に包まれている。

なぎさなおこ(なぎさ)
食育料理家・株式会社フードコミュニケーション代表
2007年「食のチカラで病気やケガの予防に貢献する」をコンセプトに飲食店を開業。店舗運営の傍ら、料理講座や働き方関連の講演にも積極的に登壇。文字通り「一生の付き合い」となる食の場面を豊かにする知恵や元気を発信し続けている。https://nagisanaoko.com/

小柴菜摘(こしば なつみ) @natsumi_0824
株式会社フードコミュニケーション 広報部
ビューティーコンサルタント
3人(7歳、5歳、7ヶ月)の子育てママ

グランフォート株式会社
八戸市民の素敵な時間を切り取り続けて40年。「記録ではなく想い出」を創るお手伝いをいたします。家族の記念から学校写真まで、見守り寄り添う写真館。http://www.grandphoto.jp/